雨の日に、井の頭公園の池のまわりを歩いてきました。
人が少なく、傘の音と、木からおちるしずくの音だけ。
晴れの日とはまったく別の場所でした。
歩いたルート

京王井の頭線・井の頭公園駅からスタートし、三鷹市側の表参道入口から弁財天へまわりました。
- 井の頭公園駅 → 池のほとり → 表参道入口 → 井の頭弁財天 → 吉祥寺駅
この表参道は、江戸の人々が弁財天へお参りするために歩いた道です。
同じ道筋をたどり、当時の面影がどれだけ残っているのか、確かめながら歩きました。
「井の頭」という名前は、どこから来たのか


「井の頭」の「井」は、井戸の井。つまり「水くみ場のいちばん元」という意味です。
この池の水は、いまも神田川として流れ出しています。
江戸時代には「神田上水」という水路で江戸の町まで引かれ、飲み水として使われていました。
その水源、いちばんの「頭」にあたるのがこの池。それが名前になったと伝わっています。
もうひとつ、三代将軍・徳川家光の言い伝えも。
この水を絶賛して「井戸のなかで一番。『井』の『頭』だ」と名づけた、という説です。
家康も鷹狩りの帰りにこの湧き水でお茶をたてた、と伝わっていて、
公園には「お茶の水」と呼ばれる湧水の場所が残っています。
いま公園でボートが浮かんでいるあの池が、江戸の人たちの「蛇口の元」だった。
そう思って水面を見ると、見え方が少し変わります。
ちなみに、江戸にはもうひとつの水道「玉川上水」がありました。
そちらのはじまりは、羽村の記事で歩いています。
→ 江戸の水は、ここから。〜玉川上水と石仏を訪ねて〜 東京都羽村市
弁財天と、蛇のからだをもつ宇賀神

池のほとりには井の頭弁財天があります。水の神さまで、この水源を守る存在です。
お堂のそばには宇賀神(うがじん)の像もあります。
人の顔に、蛇のからだ。はじめて見ると少しぎょっとする姿ですが、これも水と豊かさの神さまです。
大切な水源には、神さまを置いて守る。
石仏や祠がそうであるように、ここにも「水を大事にした暮らし」のかたちが残っています。
雨の日に歩く、ということ
雨の日の公園は、とても良かったです。
- 人が少なく、池のまわりを独り占めできる
- 緑が濡れて、色が濃くなる
- 傘にあたる雨と、水面の音だけが聞こえる
動画はナレーションを入れていません。
雨の音そのものが、この日の主役だったからです。
作業のおともや、寝る前のひとときにもどうぞ。
まとめ
井の頭池は、神田川のはじまりであり、江戸の水道のはじまりでした。
名前の由来も、弁財天も、ぜんぶ「水源を大事にした暮らし」につながっています。
次に井の頭公園へ行くなら、三鷹側の表参道から、弁財天へ歩くルートをどうぞ。
できれば、雨の日に。


