こんにちは!今回の散歩日記は、秩父の和銅黒谷(わどうくろや)駅から美の山(みのやま)公園山頂581.5mまでの約13kmのコースです。日本初の流通貨幣「和同開珎(わどうかいちん)」が生まれた場所として有名なこのエリア。でも今回注目したのはそっちじゃない。歴史の表舞台に出てこない、ちょっと怪しくて面白いものたちです。YouTubeにも動画をアップしておりますので、ぜひご覧ください!

歩き始めてすぐ、道沿いに六地蔵(ろくじぞう)がありました。赤い頭巾に赤い前垂れ。鮮やかな赤です。そしてすぐ隣には「ホース格納箱 黒谷区 No.4」と書かれた消火ホース格納箱。これも赤。しかも祠の屋根まで赤い。
お地蔵さんの赤には古来より魔除け・厄除けの意味があります。太陽の色、清浄の色。子どもを守る願いを込めた色です。一方の消火ホース格納箱の赤は火災から地域を守るための赤。時代もまったく違うのに、守るための赤は同じ赤でした。偶然でしょうか。なんとなく良いです。

薬師堂(やくしどう)へ向かう参道を歩いていると、石碑に彫られた顔が目に入りました。阿修羅(あしゅら)像です。眉間にシワを寄せた険しい表情。仏法を守護する戦いの神、阿修羅。参道の途中にこんな顔があるとは思っていませんでした。思わず立ち止まります。

歩いていると突然現れた配管だらけの受水槽。パイプがぐるぐる、バルブがあちこち。誰かが少しずつ増設していったのでしょうか。生活感があって良いです。


これです、この小さな祠。マジックで書いたと思われる「疣神社(いぼじんじゃ)」の文字。…疣?いぼ?ブツブツ?なぜこんな場所に?
調べてみると、昔は治療薬もなく、一度できると次々とブツブツが増える厄介な皮膚病だったため、神頼みするしかなかったようです。疣を御利益とする神社や地蔵は全国各地にひっそりと存在するらしい。それにしても「疣神社」という名前のストレートさよ。祠の中にはお供えの飲み物がぎっしり。コカ・コーラまで入っていました。今も信仰されています。あなたのブツブツも、ここにお願いすれば…?


銅採掘坑道跡(どうさいくつこうどうあと)にやってきました。入口から暗闇が続いています。ひんやりとした空気が漂っています。奥に進んでいくと、天井に小さなコウモリが一匹、ぶら下がって熟睡中。起こさないようにそっと出てきました。
1300年前から続く採掘坑道に、今もひっそりと住み着いている小さな珍客。古代の採掘作業員も、この子の先祖の寝顔を見ながら銅を掘っていたのでしょうか。ありがとう。お邪魔しました。


美の山(みのやま)公園の山頂展望台に上ると、秩父盆地が一望できます。桜も咲いていて最高の眺めです。絶景に見とれていたのですが…足元を見ると、展望台の床にひっそりと丸い金属標が埋め込まれていました。二等三角点「黒谷」、標高581.5m。国土地理院が設置した、日本の地図を作るための基準点です。
ふつう三角点といえば白い石標が地面に刺さって、周囲を柵で守られているイメージですが、まさか展望台の床とは。景色に夢中で踏んで通り過ぎた人も多いのではないでしょうか。三角点ハンターの方、要チェックです。


ゴールに近づいたところで、和銅稲荷大明神(わどういなりだいみょうじん)の裏手に回ってみました。そこには古い地蔵が整然と並んでいました。風雨に長年さらされ、白いまだら模様になっています。一体ずつ表情が違います。
特にこの地蔵、アップを見てみると、かなり風化しているのにもかかわらず、なんとなく微笑んでいるように見えます。彫った人の温かみが伝わってくるようです。裏に回ったらこんな出会いがあるとは思っていませんでした。ありがとうございます。感謝。

そういえば道中、「イノシシ出没注意」の看板が貼ってありました。コウモリに続いて野生動物にはご注意ください。
無事駅まで戻ってきました。和銅黒谷駅から美の山山頂まで約13kmのコース、晴れの日に歩きました。日本初のお金の発祥地というメジャーな歴史だけではなく、ちょっと怪しくて面白いものがたくさんありました。ぜひ歩いてみてください。
ありがとうございました。

