今日3月11日は、東日本大震災から14年目の節目の日です。あの日、私たちは自然災害の恐ろしさとともに、情報混乱がもたらす二次被害も経験しました。震災後、SNSを介したデマや誤情報が広がり、被災地や支援活動に大きな混乱をもたらしたのは記憶に新しいところです。
そして今なお、災害時にSNSでデマが横行する問題は深刻化しています。内閣府の「令和5年防災白書」によると、2022年3月の福島県沖地震では、SNS上のデマが復旧活動を妨げた事例が多数報告されており、その影響の大きさが改めて浮き彫りになりました。
特に、誤った避難情報や被害状況の過大・過小報告が拡散されることで、適切な判断が難しくなるケースが指摘されています。被災者や救援活動に従事する人々が混乱し、迅速な対応を阻害する要因となっているのです。
また、一般社団法人自治体DX推進協議会の「令和6年度 防災DX実態調査レポート」によると、自治体が防災・減災において活用したいデジタル技術として「住民向け情報発信ツール」が最も高く支持されており、その重要性が再認識されています。正確な情報発信とデマ防止の取り組みが社会全体で求められています。
では、私たちは災害時にどのようにしてデマに惑わされず、正確な情報を得るべきなのでしょうか?ここでは、個人や家族でできる具体的な対策を5つご紹介します。

デマに惑わされない5つの心得
情報リテラシーを高める
- 批判的思考を養い、情報の真偽を見極める力を磨きましょう。
- SNSでは誰もが情報発信者になれるため、デマや誤情報が急速に広がる危険性があります。
- 震災時に「動物園からライオンが逃げ出した」というデマが拡散し、パニックを引き起こしたケースがありました。
- 複数の信頼できる情報源を日頃から確認し、SNS情報を鵜呑みにしない習慣をつけましょう。
家族でのコミュニケーションを強化
- 災害時の情報共有ルールを家族で決めておくことが重要です。
- 家族間で情報を共有し、確認し合うことで、デマに惑わされるリスクを減らせます。
- 「SNSで得た情報は家族で必ず共有し、公的機関の発表と照らし合わせる」といったルールを設定しましょう。
- 月に一度など、家族で防災について話し合う時間を作ることが大切です。
緊急時の信頼できる情報源を事前に確認
- 公的機関のSNSアカウントや防災情報サイトをあらかじめ把握しておきましょう。
- 災害時には信頼できる情報源を優先的にチェックすることで、デマに惑わされるリスクを減らせます。
- 自治体、気象庁、消防庁などの公式アカウントをフォローしておくと安心です。
- スマートフォンのホーム画面に防災情報サイトのショートカットを作成しておきましょう。
デマ拡散防止の意識を持ち続ける
- 情報を拡散する前に必ず内容を確認する習慣をつけましょう。
- 不確かな情報を拡散することで、周囲に不安や混乱を招く危険性があります。
- 「放射能対策にうがいが効く」といったデマが震災時に広がり、混乱を引き起こしたことがありました。
- SNSのデマ報告機能を使いこなすために、普段からその使い方を確認しておきましょう。
公的機関からの正確な情報を優先する
- 災害時には公的機関の発表を最優先で確認することが重要です。
- 公的機関は最新かつ正確な情報を提供しており、その情報を基に行動することが安全につながります。
- 避難指示や警報などの重要な情報は、必ず公式発表を確認しましょう。
- テレビやラジオなど、複数のメディアを活用して情報を収集する習慣をつけることが大切です。
災害時の情報混乱を防ぐために
これらの対策を日頃から意識し、実践することで、災害時のSNSデマによる混乱を最小限に抑えることができます。3.11の記憶を胸に、私たち一人ひとりが防災・減災の意識を持ち続け、デマに惑わされない社会づくりに貢献しましょう。
正確な情報を見極め、冷静に対処できる力が求められています。今できる対策を一つずつ実践し、災害に強い社会を共に築き上げていきましょう。